Vビーム
健康保険でできる治療について
単純性血管腫・乳児血管腫(苺状血管腫)・毛細血管拡張症は保険で治療することができます。
◎血管腫治療を受けられる方へ(Vビームによる)
血管腫(いわゆる赤あざ)治療はかつて、切除・縫縮や広範囲の場合植皮術などの手術治療が行われてきました。しかしこれらの治療では正常な組織をも切除せざるを得ず、醜い瘢痕(傷痕)を残すなどの欠点がありました。特に小さいお子さんなどには最適な方法が無く、治療が困難な時代がありました。
近年になり、世界中で血管腫に対するレーザー治療の研究が盛んになり、技術の開発とともに、より安全で効果的なレーザー治療が行われるようになってきました。
血管腫は皮膚の中にある血管が異常に増殖しており、このため表面から見ると赤く見えます。原因ははっきりしていませんが、人によって部位や範囲に差があり、顔面にできる人、手足にできる人など様々です。
レーザーはある特定の波長の光を発振することができ、Vビームは595nmというヘモグロビン(血管の中の赤血球)に最も吸収される波長の光を発振するため、血管腫治療に適しています。またこの波長は正常組織にはほとんど吸収されないため、正常組織を破壊せず、血管腫のみを選択的に破壊することができます。
またVビームはレーザー照射直前に毎回冷却ガスを表皮に吹き付けることで周囲へのダメージを最小限に抑えながらより安全に治療することができます。
症状、年齢、範囲によって治療回数は異なりますので、3か月空けて繰り返し照射していくことで徐々に改善していくことが多いです。
照射前後の注意点などがありますので、受診された際にご説明いたします。
- 1.単純性血管腫の場合
- 生まれつきあり、年数を経ても自然には消退しません。大人になると隆起してくることがあります。照射を繰り返していくと徐々に薄くなっていく方が多いです。3か月毎に5回程度の治療が一般的です。
- 2.苺状血管腫の場合
- 1歳をピークにしてだんだんと自然消退していく傾向がありますが、色は消退しても皮膚のたるみ感が目立つ場合もあります。必ずしもレーザー治療の必要はない場合もあります。
治療は生後間もない時期からでも開始することができます。この血管腫のタイプは数種類ありますが、隆起してくるタイプは早期からレーザー治療していく方が良いです。3か月毎に消退していくまで治療をしていくことが多いですが、隆起傾向が強い場合は頻度を上げて照射する場合もあります。 - 3.毛細血管拡張症の場合
- 様々な原因によって主に顔面がぼんやり赤く見えたり、血管がはっきりと透けて見える状態です。病変部位の範囲にもよりますが、同一部位には3か月毎に3〜5回程度の照射で薄くなっていく方が多いです。
保険について
- 健康保険は使えますか?
- 単純性血管腫、苺状血管腫、毛細血管拡張症の治療には健康保険と乳児医療の適用となります。
ただし、3ヶ月以上の間を空けて治療する場合に限られます。 - 何歳から保険治療を受けることができますか?
- 生まれてからすぐに受けられます。
- 何回まで保険治療を続けられますか?
- 回数に制限はありません。
- 大きさによって治療費は変わりますか?
- 10㎠までの大きさで、3割自己負担の場合で約6,500円です。
それよりも大きい場合、10㎠ごとに1,500円増え、180㎠が保険で治療可能な最大の大きさです。(約32,000円:3割負担の場合)
自費診療でできることについて
◎Vビームフェイシャル治療を受けられる方へ(赤いにきび痕、若返り効果)
Vビームフェイシャル治療に使用するレーザーは、ロングパルスダイレーザー(米国キャンデラ社製VbeamⅡ)という医療用レーザーで本来は血管腫の治療に使用するレーザーです。
Vビームは595nmというヘモグロビン(血管の中の赤血球)に最も吸収される波長の光を発振するため、血管腫治療に適しています。またこの波長は正常組織にはほとんど吸収されないため、正常組織を破壊せず、血管腫のみを選択的に破壊することができます。またVビームはレーザー照射直前に毎回冷却ガスを表皮に吹き付けることで周囲へのダメージを最小限に抑えながらより安全に治療することができます。
Vビームはヘモグロビンのみならずメラニンにも吸収されることがわかっています。そのことを利用して照射することで皮膚深部でのコラーゲン産生を促し、光老化した肌を内側から徐々に改善させていきます。真皮内に軽微な熱損傷を与えることで線維芽細胞の活性化により、真皮上層でエラスチン、コラーゲンの再構築がはかられ、リジュビネーション効果(いわゆる若返り効果)が得られるとされています。その結果、お肌全体の若返り(くすみ、キメ、小じわ、色素斑)に対して効果的な治療で化粧のりが良くなることやお肌のハリを感じることが期待できます。
にきび痕などの赤みも毛細血管によるものですので、レーザー照射により治癒を早める効果が期待できます。ひどく化膿したにきびの場合でも即効性が期待できます。またケミカルピーリングを併用しながらの治療も効果的です。
もちろんレーザーは魔法ではありませんので、かなり深いシワの改善は非常に困難です。改善には個人差があり、シワの部位や深さ、肌質により効果は異なります。またピンポイントにしっかりとしたシミの除去をご希望の場合は、シミ治療に特化した当院のQスイッチレーザーによるシミ治療をお勧めします。照射前後の注意点を受診時にご説明いたします。
- ◯当院のレーザーフェイシャルやスキンタイトニングよりも波長が短いですので、特に浅いくすみや小じわによりよく効きます。また肌のハリ感を感じられることで若返り効果を実感しやすいレーザーです。1ヶ月毎に1回を5回ほどが治療のひとつの目安ですが、繰り返し治療を行うことで、より効果が高まります。
- ◯シミのように見える肝斑やイボが混在する場合は違う治療方法が必要となります。
- ◯赤みの残るにきびや難治性のにきび、にきび痕によく効くことも期待できます。
Vビームフェイシャル料金表
※すべて税込み価格です。
両頬部 | 27,500円 |
全顔 | 38,500円 |
部分照射10発 | 11,000円 |