帯状疱疹ワクチン
50歳をすぎたら帯状疱疹の予防接種ができます。
過去に水痘や帯状疱疹などにかかったことがある方は、治った後もウイルスが体の中に潜んでおり、加齢やストレスなどで免疫が低下すると、帯状疱疹が発症する可能性がでてきます。
日本の成人では、およそ9割が、体内にウイルスを持っていると考えられております。
帯状疱疹は水痘ウイルスの暴露(水ぼうそうに罹患したり、水ぼうそうの予防接種を受ける)によって、神経節にウイルスが潜伏している状態になります。加齢や疲労、病気など、免疫力が低下したときなどにウイルスが再活性化することで、神経を伝いながら皮膚まで到達し、痛みや神経障害、皮膚症状などを引き起こすものです。
場合によっては「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる疼痛や、顔面神経麻痺や目の症状など後遺症を残すことがある厄介な病気です。発症してしまったらなるべく早く皮膚科に受診してください。
帯状疱疹ワクチンの種類
水痘ワクチン (生ワクチン) |
シングリックス (不活化ワクチン) |
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接種回数(※) | 1回 | 2回 (2~6カ月) |
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接種方法 | 皮下注射 | 筋肉注射 | |
接種時の痛み | やや少ない | 強い | |
接種後の副反応 | 軽い疼痛 | 疼痛、発赤、腫れ、発熱、筋肉痛など | |
ワクチンの効果 | 帯状疱疹の発症 | 51%減少※1 | 97%減少※2 |
帯状疱疹後神経痛への移行 | 67%減少※1 | 89%減少※3 | |
効果時の持続時間 | 5年程度 | 9年以上 | |
費用 | 8,000円程度 | 1回22,000円程度 |
※1国立感染症研究所-帯状法人ワクチンファクトシート参照
※2Lal H, et al., N Engl J Med, 2015参照
※3Cunningham AL, et al., N Engl J Med, 2015 参照
まとめ
生ワクチンは、効果・持続は落ちますが、費用や副作用が比較的軽いです。
不活化ワクチンは長い効果持続や、高齢の方にも高い効果がありますが、数日副作用がつらいという可能性があります。
つらい後遺症を防ぐために、早めにワクチン接種をしておきましょう。
接種を受けられない方
- この成分でアナフィラキシーを呈したことがある方
- 37.5℃以上の発熱をしている方
- 重篤な急性疾患にかかっている方
- 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する方
接種に注意が必要な方
- 心臓疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患等の基礎疾患を有する方
- これまで、予防接種を受けてアレルギー症状があった方
- けいれんを起こしたことがある方
- 免疫不全と診断されている方